時間という宝物(電力館フォーラム)
場所:東京都渋谷区 東京電力 電力館TEPCOホール8F
開催日時:2004年10月17日 14:00〜15:30
■限定100名の講演会に潜入
渋谷にある東京電力の電力館で松本零士先生の講演会があることを知り、事前に申し込みをしていた。限定100名だったが、無事に当選。しかし、関西から行くにはちと遠すぎる。直前まで特に出張の予定もなかったので代わりに行く人を探していたのだが、それもおらずキャンセルしようと思っていた矢先に出張と重なったため、無事に参加することができた。席は自由ということなので早めに開場の1時間以上前に行った。限定のイベントということもあって、まだ1人しか待機していなかった(苦)。しばらく本でも読みながら待っていると、開場直前に松本零士先生がエレベーターから出てきて、我々の前を会場に入っていった。
■お話はいつものお決まり
会場はどこに座っても近くて良く見えるくらいの大きさだったが、せっかくなので最前列の真ん中をキープ。あわよくば質問してやろうと考えていた。そして、松本零士先生の登場。始めは近況の話。関東地方であった地震の影響でエアコンが壊れたらしい。それ自体は何ともない話なのだが、その影響で、エアコンの水が資料室内に洪水のように溜まってしまい、大事な資料が台なしに。気づいた時はかなり後のことだったらしい。さすがにこれは痛い。先生も残念そうに話していた。
その後はいつものお話が続く。内容的には、子どものころの手塚先生との出会い?、映画機材を買い込んで警察に捕まりかけたこと、大洲での戦時中の話、朝日新聞西部本社での子どものころの思い出、下宿時代、メーテルやエメラルダスのモデルについて、青春時代の女性のはなし・・・など。ほとんどの話は既出のもの。詳しいことは、2004年10月に愛育社から出た「松本零士画集―星の海、美の遺伝子」のインタビューに同じようなことが書かれているのでご参考まで。
印象に残ったのは、「何でも立体的な実体験をしないと、良いものは描くことが出来ない。この世の中、見て損するものは何もない!」ということ。まさに百聞は一見に如かずを大先生は実践してきたのだ。「残り時間が多いほど人生は楽しい。時間は宝物だから大切にして欲しい。」と強く訴えていました。日ごろ時間についておろそかにしがちなので、とても強く心にしみました。
■久しぶりに松本零士先生に質問をしてみた
公演後に少しの質問タイムがあった。最初の人は、大和関連の部品についての質問だったが、ちょっと良く分からなかった。2人目は、大学の研究者の女性だったが、マセトローションについて聞いていた! あと1人ということだったので手を上げてみたところ、選んでもらえた。大洲に行ったことを伝えると少し驚いていたが、質問は次のようなことをしてみた。
Q:大山昇太と星野鉄郎は同じように”志”を持っているにもかかわらず、なぜ片方は頑張り屋で、片方はぐうたらなのか?この2人の違いについて教えて欲しい。
A:(星野鉄郎は機械の体になることを目的に描いているが)大山昇太には目的を持たせないことで自分に置き換えて読むことができ、読者の共感(共有感)を得るようにしている。実体験に基づいた創作(マンガ)でないと冷たい印象になって共感できないからね。
この説明には正直目からウロコでした。よく似たキャラクタにもちゃんと狙いがあって、個性を持たせているところには当たり前ながら感心しました。この質問をしている間にもしっかりと目を見ながら話しかけてくれる松本零士先生には本当に感謝しました。また質問させてください。
講演会終了後にGE999MLのメンバー数人に会った。一緒に松本零士先生のサインをもらおうと先生に交渉したが、場所も場所だからか、時間がないのでと言うことで断られてしまった。むぅ。やはりもう少し人の少ないところじゃないとサインはもらえないなぁ。しかし、今日は質問もできたので、満足の行く講演会でした♪
イベント一覧にもどる
|